今日も平和な斗南キャンパス。
そこでは今日も平和な日常が…。
「きゃー(棒読み)」
「こら、もっと気合入れて叫ばないと麗しの君に聞こえないではないか」
「そんなこと言っても」
お決まり悪の組織ダイジャーが現れた。
付近にうろうろするダイジャーの下っ端たち。全員手術着で、顔は緑のマスクに覆われている。…どう見ても変態である。
そして人質を拘束しているのはダイジャー幹部・モリンである。
「ダイジャー・モリン!出たわね!」
「…ピンク。レッドはどうした!」
「今は手が離せないのよっ(注訳:手術中)」
やる気が失せたモリンは、拘束している人質を放すことにした。
「ちょ、何そのやる気のなさ」
ピンクが臨戦態勢のままモリンを厳しく追求する。
「どちらにしてもピンク一人じゃ相手になりませんね」
モリンはダイジャー下っ端に引き上げるように合図をする。
「なんですって、失礼な」
ピンクが息巻いたとき、さわやかに登場した緑の影が…。
「とぉ〜〜〜!ホスピタグリーン登場!」
「あ、グリーン!」
「グ、グリーン?」
颯爽と現れたグリーンにその場にいる全員が驚いた。
微妙にダイジャー下っ端とかぶっている気がしないでもない。
「これでは戦隊は6人になってしまうではないか」
「それなら大丈夫。イエローは自己都合により退職しました」
「誰に向って説明してるんです」
「誰って、あっち…かな」
ピンクがこちらを指し示している間にグリーンはやる気満々で、ホスピタレンジャー史上一熱い男である。
「何をごちゃごちゃ言っている。受けてみろ、松葉杖アターック!」
「うっ、これはイケメンのアタック…」
マスクに覆われた姿が果たして本当にわかるのか疑わしいが、どうやらモリンのどこかの琴線に触れたことは確かなようである。いったいどこだったのかは深く追求してはいけない。
「お、覚えていらっしゃい…うう」
お決まりのセリフを吐きつつ、モリンは立ち去った。
「ありがとう、グリーン」
「いや、平和を守るためだから」
マスクに覆われていてわからないが、どうやら照れているようである。
ほんわかした雰囲気を残しつつ、登場しそこなったブラックは思案顔。
登場しなかったレッドとブルーは、まだそんな空気を感じ取ることも出来ずにいたのであった(注訳:二人とも手術中)。
* * *
「…グリーン…」
アタックを受けたわき腹を押さえつつ、モリンは職場へと戻っていく。
「…またもや楽しみが増えましたよ」
なにやら
いけいけ斗南戦隊ホスピタレンジャー。
さらにねらわれた
(2009/12/15)
2010.01.21初出