大掃除2*おまけ*




リビングに下りて周りを見渡す。
あれ?
くつろぐ家族の中にあいつがいない。
なんとなく思い当たることがあり、二階にもう一度戻ることに。

奥の部屋ではお母さんがまだ独り言を言いながら片付けている。
その手前の部屋は書斎。
その次が裕樹おじの部屋。
もっとも今使っていないけど。
それからあたしとあいつの部屋がそれぞれ隣り合わせ。

あいつの部屋をそっとのぞく。
…どこかで見た風景。

「…あんたもなの」

一気に脱力感が襲う。
わが弟の周りに散らばるゴミ。

「だって、片付かないんだよ」

半泣きになりながらあたしを見ている。
来年中学生なのに、そんな涙目で見ないでよ。

「あ〜〜〜もう、仕方がないわね!」

あたしはやつの周りのゴミ(だと思ったけど違うらしい)をさっさとダンボールに仕分けしていく。

「ありがとう、お姉ちゃん」

ええい、もう、そんな子犬のような目で見ないでよ。
まったくそんなところばっかりお母さんに似てずるいわ、もう。

…奥の部屋では、同じようにお父さんの怒声が聞こえ始めた。


(2006/12/30)大掃除2*おまけ*−Fin−