君と夏の終わり




「ねえ、入江先生見なかった?」
そう言って聞いて回るが、あちこちで見たという声は聞くものの、姿は見ない。
先ほど義母である紀子からの伝言で、ステージ衣装を西垣医師に託したという。
いったいどんなステージ衣装なのか、聞いても教えてくれなかった。
ただ一言、ヒントは懐かしいものよ、と。
首をひねりながら姿を捜すが、何かを察しているのか、いつもとは違って会えない。
いつもは何故そこに、というくらい嫌なタイミングで悪だくみを知られてしまうくらいなのに、今回は逆だ。
その西垣医師にも会わない。
ステージ近くでうろうろしていても見つかるわけがないのは知っている。目撃場所は外来だの検査室だのといった院内だったからだ。
しかし、出番までもう一時間もない。
「もしもし?西垣先生?入江先生、どこにいますか」
『ただいま捜索中』
「もうすぐ出番来ちゃいますよ。ぎりぎり駆け付けたとして、あと三十分」
『ただいま入江直樹捕獲計画発動中のため、待機せよ』
「ずっと待機してますってば」
『ヤジマ作戦開始してるから』
「…なんですか、それ」
『いや、研修医のヤジマ君がね、渦中の人物を捕獲に動いてるから』
「どこかのアニメの真似して言いたかっただけでしょ、もう」
『あはは、詳しいね琴子ちゃん』
「もう、冗談言ってないでお願いしますよ」
『琴子ちゃんの方こそ、こういう時こそイリエセンサー活用してくれなくっちゃ』
「何ですか、それ」
『ああ、無自覚だったね、うん、ごめん。あいつの方こそ琴子ちゃんセンサー駆使して逃げ回ってたりして』

わーー!と急に観客が騒がしくなった。
なんと、看護部から代表で細井師長が出場しているらしい。しかもこぶしの利いた演歌だ。

『えーと、琴子ちゃん、聞こえないんだけど』
「あ、じゃあまた、お願いしますね」
あいさつもそこそこに琴子は舞台を見に戻った。
なんてことだ。
歌のうまさに加え、ゲストで来ている売れない演歌歌手よりもよほど押しが効いている。
堂々とした着物姿で、観客と審査員を圧倒している。
このままでは負ける…!
既に自分が第三外科病棟の代表だったことなどとうに忘れている。
頭は直樹の出場でいっぱいだった。


同じ危惧を病院長は審査員席に座りながら思っていた。
ひいきはいけない。
公平にお願いしますよ、というのが審査員としての条件だった。
第三外科出身の病院長があからさまにひいきしたのでは、外聞が悪い。
もちろん裏では随分と手を回しているのだが、そんなのは表立って言わなければいいことで。
それにしてもこれほど歌が上手いとは知らなかった、と舞台上の細井師長を見て病院長はうーんとうなった。
やはりここは第三外科一押しの彼に出てもらわねばならない。是が非でも。
歌唱力でいけば未知の彼より歌が上手いと言われる一医局員なのかもしれないが(医局長はカラオケ好きであってイコール上手いとは限らない)、彼ならば見た目と声だけで多数の観客はメロメロになるに違いない、と病院長はほくそ笑んだ。
しかも彼の出番はかなり後。
トリと言っても相応しいくらいだ。
本当に出場してくれるのかどうか、ここは彼の良心にかけたいところだ。
そして、密かに捕獲部隊も結成したと聞き、何とかなるだろうと病院長は踏んでいた。
特別席に座りながら、無理やり審査員になった病院長と比べたら、純粋に審査員を楽しんでいる大学学長を横目で眺めた。
この禿げ頭が俺の苦労も知らず、とどうでもいい文句が出たが、そこは胸にしまっておくことにした。
むしろどうでもいい身体的特徴につい文句を押し付けてしまうなど、上に立つものとしては言語道断だと病院長自身はこれまた密かに反省もしたのだ。
更にその隣でうんうんとうなずいて所詮素人ののど自慢よねとでも言いたげな満足そうな表情で舞台を眺めている売れない演歌歌手にもそのイライラは募る。
誰も彼女の名前と歌は知らないので、素人とプロの境界線はどこだろうと思いながら先ほども歌を聞いていたのだが、ちゃんとレコード(今はCDだのストリーミングだのがあるが、アナログ時代の病院長なので目をつぶってほしい)を出しているかいないかなのだろうと病院長は生暖かい目で見守ることにした。
果たしてこの審査員たちが彼の魅力にはまってくれるだろうか。
一番の問題はそこだ。
何かインパクトが欲しい。
病院長はもちろんそんな指令を捕獲部隊の総指揮をとっている医師に託した。
返ってきた返事は、上手くいくかどうかはあの男のことなのでわかりませんが、用意はしてありますとだけ自信満々によこしてきた。
踊り狂う若手看護師たちと着物演歌に勝てる勝因とはいったい何だろう。
病院長は歌い終わった細井師長に拍手をしながら、迷いに迷って点数をつけたのだった。
これ以上のインパクトがなければ、彼は負ける…。
これが病院長としての精一杯の公平な審査だった。


出番前三十分を切り、いよいよ捕獲部隊は入江直樹の姿を見つけなくてはまずい状況に。
「見つかったか?」
手元で院内携帯が鳴り、西垣医師は意気揚々と電話に出た。
「はい?」
『先生、大変です!』
「どうした、逃げられたか?」
『木暮さんが、吐血しました〜〜〜〜!どうしましょう』
「はい〜〜!?」
そんなことは想定していない。
しかも、何故、木暮さんが。
『すぐに病棟に来てください!なんか、のど自慢見て興奮して血圧が上がって、それで…』
「…わかった」
なんと言う弊害。
少々がっくりしながら西垣医師は病棟に戻ることにした。
木暮さんが吐血なら、かなりの出血量に違いない。
ぼやぼやしている場合でもないし、ギャグを飛ばしている場合でもない。
ましてや、入江直樹捕獲計画の総指揮をしている場合ではない。
そして、消化器外科を結集して治療当たらなければならない事態だ。
走りながら器用に電話をかけると、研修医のヤジマに託した。
「僕はすぐに駆けつけなければならないが、おまえはとりあえず捕獲計画続行を。もう一人の研修医のシノザキを残す。ぎりぎりまで頑張ってくれ」
『了解でーす』
返事は軽いが、とりあえずこれでよし。
あとは全力で木暮さんを…。
えーとまずは内視鏡の手配に…。
などとちゃんと医師としての仕事もこなす西垣医師の頭には、救命病棟24時なみの音楽が流れるのだった。


さて、しつこいようだが、このときまで直樹は別に捕獲部隊から逃げ回っているわけではなかった。
霊の…おっと、例の患者との不毛なやり取りを偶然通りがかった主任にさえぎってもらった後、何とか病棟を脱出した。
この後は小児科に顔を出す予定だったが、チラリとのど自慢のことが頭をよぎった。
このまま全く出る気はないし、この後は懇意の教授のことろに顔出しして、ついでにちょっとだけ長居しても別に問題はないだろうと思っていた。
ところがその時だった。
なんと廊下の陰から何者かが現れた。
顔をよく見なかった。
というか、何かをかぶっていて見えなかった、が正しい。
研修医とて命は惜しい。
指導医ではないとはいえ、ここで直樹に恨まれてもいいことは一つもないのだ。
そして、もう一つの不運は、その男がやけにがっしりとしていたことだ。
直感であいつか…?と思ったが、そいつは一言も発することなく直樹の身体を拘束した。
「ちょっと、待て」
それ以上有無を言わさず、担ぎ上げられた。
直樹の身体は決して小さくはない。それなりに鍛え上げられた男だ。
暴れようとしたが、もう一人現れ、二人がかりでまるで獲物をゲットした原人のように担ぎ上げられて、えっさほいさと運ばれる羽目になった。
まさに生贄≪いけにえ≫だ。
若者に担ぎ上げられるとある医師の図は、決して見てうれしいものではない。
誰かに助けを求めるのもバカバカしくなり、そのまま担ぎ上げられたまま、医局へと運ばれて行った。
ところが肝心の元締めがいない。
それもそのはず、捕獲したことで興奮した二人はすっかり忘れていたが、西垣医師は病棟で吐血患者の救命で大忙しだ。
仕方がないので、考えた挙句時間も迫っていることに気づいた二人はそのまま会場に向かうことにした。
「ちょっと待て」
待てと言われて待つような二人なら、捕獲部隊に抜擢されてはいない。
二度目の待ても効かないと来たら、直樹と言えどもどうしようもない。
しかしこのまま会場まで運ばれるのは避けたい。
「このまま運ぶつもりか?」
無言で被った面をを見合わせて、医局にあった汚い毛布を直樹に被せた。
言っておくが、一度も洗ったことがないようなやつだ。
やめろというべきか迷ったが、自分の間抜けな姿をさらして運ばれるよりはましかもしれないと思い直した。
このまま行けばサプライズ間違いなし。
直樹にとっては全くうれしくもないが。
少なくともここまでがっしりと捕まれて持ち上げられてしまっては、直樹も逃げようがない。
残る手立ては会場に着いてからが勝負だと勝手に決めた。


その頃西垣医師は、普段のおちゃらけた姿からは想像も出来なような素晴らしい活躍をしていた。
…が、この話はのど自慢には関係ないので省くことにする。


そうこうしているうちに会場には着いた。
会場では直樹欠場時に備え、歌のうまい一医局員と、歌はそこそこカラオケ大好き医局長もスタンバイしていた。
そこに無言の男二人に抱えられた汚い医局毛布に包まれた何かが届けられたので、第三外科の一同は驚いた。
毛布をめくったらさらにどよめいた。
中から出てきたのは王子様…ではなく、ただの不機嫌顔の直樹だったからだ。
医局長を差し置いてまで出たくなかった一医局員はほっと胸をなでおろし、医局長はちょっとだけ残念に思いながらも「衣装は!?」と叫んだ。
衣装は西垣医師がとびっきりなのを用意してあると言っていたにもかかわらず、ただのいつもの白衣姿じゃないかと。
「入江くん!?」
そこへさらにお騒がせ琴子が現れた。
ちなみにこの時直樹は逃げられないように両腕を二人の研修医にがっちりと捕まえられている。
「なんで着替えてないの!?」
開口一番それかよ、と思いながら「その衣装って言うのは何だ」と直樹は妻に問う。
「お義母さんが、懐かしい衣装を用意してるって聞いて、楽しみにしてたのに」
「懐かしい衣装…」
もちろん賢明な直樹はなんとなく思い当たった。
もちろん血だらけ抱擁のスーツでもなく、新婚旅行で着た衣装でもなく、好きだよ騒動のパジャマでもなく、今でも残してある衣装で目立つものと言えば。
「…まさか」
そう、それと二人の歴史を知るものならば言ったに違いないが、何せあの衣装は医局の中で、今ここにあるわけではない。
しかも出番まで残り五分だ。
出番を次に控え、皆浮足立っている。
もうこの際衣装などどうでもいいだろうと、前の曲が終わったら、先ほどと同じように医局毛布に包んで研修医二人に運ばせてしまおうということになった。
これでインパクトは、大だ!…多分。
「入江くん、頑張って!入江くんなら大丈夫」
この期に及んで言うことがそれか?どこが大丈夫なんだ?こんなふうに担ぎ上げられていても大丈夫か?え?
…と直樹は口にしたかったが、怒りのあまり言葉に出なかった。
そうだ、こいつはこういうやつだった、と直樹が結婚前から何度も味わっている虚しさを再び感じたところで、舞台方面から歓声が聞こえた。
どうやら前の出演者の歌が終わったらしい。
さあいよいよ出番だ、と第三外科の面々と琴子は心を弾ませ、期待半分心配半分で医局の汚い毛布に包まれた彼を見た。
とは言っても、彼は皆の視線など全く受け止める気配もないが(何せ毛布で包まれているから)。


前の出演者が舞台から戻ってきた。
直樹は汚い毛布に包まれたまま、右も左もわからないような状態で、仕事中の白衣のまま、舞台上に下ろされた。
毛布をむしり取ろうと思った瞬間だった。
ポケットの中の院内用PHSが震えた。
と同時に、同じく外科の医師たちのPHSが鳴っている。この場においてマナーモードにしていないのは非難されるべきか、称賛されるべきか。
そんなことはともかく、そこら中でPHSが鳴り響いているのは尋常な事態ではない。
直樹は毛布をむしり取る前に先にポケットの中のPHSに手を伸ばし、電話に出た。医局からだった。
『非常事態です。院内コード、ブルーです。多数の救急車が到着します』
「すぐ行く」
それだけ答えると、毛布をむしり取った。
舞台から見ると、下の観客たちの中でも電話を手にしている者たちもいる。
それと同時にキャー!という悲鳴も上がった。
それを眺めつつ、踵を返してさっさと舞台から戻ることにした。
いつの間にか病院長も事務局長も消えており、盛大に『コード、ブルー』と前代未聞の院内コールが鳴り響いた。
もう夏祭りどころではない。
看護師も含め、ばたばたと会場が騒がしくなり、皆が移動を始めた。
既に夜の八時になろうとしているが、幸いなことに夏祭りだったお陰で病院敷地内には多数の医師と看護師が残っている。
勤務外であろうが、この際関係ないとばかりに救急車が到着するだろう救急外来に向かいだした。
会場に残されたのは、呆然とする患者とただの観客、それからいつの間にか舞台上には一人きりになっていた売れない演歌歌手だった。
司会は舞台の下で段取りが〜と蒼い顔をしてどうやっておさめるべきかと苦悩していた。
事実上夏祭りはここで終了となったのだった。


ちなみにその頃西垣医師は、止血のために内視鏡と格闘していたため、彼は彼で大変苦労していたし、コード・ブルーのコールが気にならないわけではなかったが、皆がそちらに行ってしまったため、当直でもないのにずっと病棟から動くことすら叶わなかったのだった。


病院内はコード・ブルーのお陰でいつもより大賑わいだった。
多数到着する救急車の中の患者も思ったより軽症だった。
同じようにのど自慢大会を繰り広げていた会場で、興奮しすぎてヒステリー状態になった者たちが集団で過呼吸になったりだとか、倒れて骨折だの打撲だの裂傷だのと運び込まれる羽目になったからだった。
皆がシュレッダーの紙吹雪もどきをまとい、何やらわからないお面をかぶっていたり、奇抜な衣装を着ていたりと、これぞ夏祭りという感じだ。
斗南の面々も同じように衣装を着ていたり、なぜか手に持ったままの投げテープだったりが散乱していたので、お互い苦笑するしかなかった。
治療が終わってからそのまま何か意気投合して、斗南の会場へ突撃して勝手に歌いだす者あり、院内の騒ぎはなかなかおさまりそうになかった。
そんな中、やれやれとひと騒動が終わってから医局へ戻ってみれば、げっそりとした西垣医師とその下っ端研修医が外科の急変を一手に引き受けていたのだった。
「どうなったの、のど自慢は!歌合戦は誰が勝ったの?」
そんな質問の答えを誰も持っていなかった。
何せ外科医局の直樹の出番と同時に救急外来へ駆けつけたのだから。
「僕の苦労は?」
医局の中で誰も彼と目を合わせない。
「どーいうことー!?」
西垣医師への労いはあったが、なんと言っても直樹は歌っていない。
あれから本人もうまいこと雲隠れしたままだ。


「…入江くんの歌、聞きたかったな」
夏祭りの片付けもいつの間にか終わっていたのを確認した二人は、さっさと誰も邪魔しないところに来ていた。家に帰るとろくなことがなさそうだという理由で。
「この部屋ってカラオケセットないのね」
「…どこのラブホだ」
「えーあるって聞いたのに」
「普通のホテルの部屋にカラオケセットなんかねぇーよ!」
「ねえ、今度歌ってくれない?」
「誰が歌うか」
「あ、本当は音痴なの?」
直樹はぎろりと琴子を見ると、とあるものを取り出した。
「それならこの衣装着てもう一度踊ってくれたらな」
「う…そ、それは」
どこから持ってきたのか、琴子が着ていたへそ出しも鮮やかな『朝娘。』風の衣装だ。
「もう身体中が痛くって、あの、だからね…」
「見たかったなー」
ややからかい気味にすっとぼけて言う直樹に、琴子は「む、無理、もう無理」と首を振る。
「残念だったな」
勝ち誇ったように衣装をぽいっと投げ捨てると、「痛いんだろ、ほぐしてやるよ」と直樹特有の意地の悪い笑顔でそう言った。
「あ、あの、お手柔らかにお願いします」
もちろんそんなふうに言ったところで、お手柔らかに済んだことなど、実は一度もないのだが、言わずにはいられない。
「そう言えば『夏祭り』っていう歌もあったよな」
「あなたがわたしにくれたもの♪って?」
「違うだろ、それは」(作者注:それは『プレゼント』です)
直樹のツッコミも耳に入らず、琴子は自分の部屋のクローゼットにしまってある箱を思いだした。
直樹にとってはろくでもないものばかりだが、琴子にとっては思い出の品々だ。
貼ってくれた絆創膏とか、買ってくれたジュースの缶だとか。
「ふふ、入江くんと会ってからの思い出だもんね」
「どうだか」
「いたたたた」
「明日も筋肉痛コースだな、これは」
「でもこれで今年の夏も終わっちゃうねー」
琴子の方こそ直樹の言葉など実は半分も聞いていない風で直樹を振り返った。
直樹も思いだすことがある。
夏が来るたびに。
避暑地での衝動的な想いを。
あの夏の終わり、進路を変更しようと決めたことを。
ぼんやりと考えていた将来の夢が形になった日のことを。
「結局そういうことか」
「なあに?」
直樹はほぐしていた手を止めて、にんまりと笑った。
「夏の終わりだから、最高の思い出を作っておくか」
十年前の夏にはこんなふうになるとは思いもしなかった。
あの頃の直樹が今の直樹を見たらどう思うだろうと考えると、ひとりでに笑いがこみあげてくる。
途中でやめた口づけを今は存分に楽しんで、そっと触れるだけだった唇からさらにその奥まで。
「入江くん」
直樹を呼ぶ声も呼び方も何ら変わりはないというのに。
また十年後も変わらずに傍にあることを願って。

 * * *


斗南夏祭り、医局病棟対抗のど自慢歌合戦結果

優勝 看護部 『海の泡のように』細井小百合看護部長
賞品 フットマッサージャー

選評:その歌声と迫力で他を圧勝。壮大なる名曲を歌いこなしたところはお見事という他ない。

 
 
フットマッサージャーは、たくましい細井看護部長の足を癒すべく、日々看護部長室でせっせと働いているようだ。
そして、医局長室にかけておいた入江家御自慢の衣装は、いつの間にやら消え去っていた。
医局長に聞いても知らないと言っていたが、医局秘書だけは衣装を無くして焦っている西垣医師をただ黙って意味ありげに見ていたという。
どうやらどこかの誰かが処分したらしいが、それはまた別のお話。

(2020/05/19)Fin