イタKissへの想いの扉



その14:文庫版14巻


文庫版としては最終巻になります。
カラーのキス絵コレクションが入っていて個人的には好きです。

冒頭はクリスパパ来日編。
クリスパパは金ちゃんと入江くんを間違えて、入江くんに熱いキッスを…(いや、頬ですが)。
きたねーなと言ってのける入江くん。さすがです。
ごく普通の感覚を持ったパパは、金ちゃんをジャパニーズモンキーと言って気に入らない様子でしたが、金ちゃんのパパ思いな糖尿病食にほだされて一件落着。
金ちゃんが料理が得意なことを思い出させたり、クリスパパが糖尿病であることを教えたりと、忙しそうなのに何だかんだと入江くんもフォローします。
金ちゃんのほうもクリスがパパの悪口を言ったときには、ちゃんと事情をわかった上でしかったりして、なかなかいい男ぶりでした。
顔はいまいちかもしれませんが、金ちゃんはいい男だと思います。


そして次が琴子の誕生日祝い編。
裏工作をしてまで入江くんに二人きりで過ごしてもらおうとした琴子ですが、ディナーまでの道でアクシデントに会い、計画崩れ。
通りすがりで見かけた事故で怪我した人にちゃんと看護婦として処置。
救急車にまで同乗させられて病院まで。
結局3時間以上遅刻して待ち合わせのホテルに到着。
7時に待ち合わせで3時間以上ということは、到着時刻は22時過ぎです。
うーん、確かにショップも閉店でしょうねぇ。
汚れた服でホテルに立ち入ることをやんわりと断られます。
泣きじゃくっているところに入江くん登場。
3時間経とうが怒って帰ることなく待ち続けたようです。昔じゃ考えられないこの気の長さ。
琴子のことだから遅刻するなんてきっと何かあったに違いないけど、それでもきっと来ると信じていたところがいいですね。
ディナーも中止かと思われたところで入江ママが変装して登場。
懲りない変装姿です。…ばれないと思っているんでしょうか(笑)。
そのままホテルに宿泊したようですが、ケーキと花束は入江ママが用意して、無理矢理ロビーで押し付けたようですね。
部屋で誕生日のお祝いを改めて言ってもらい、何が欲しいと言われて「好きっていってほしい」なんて、なんてかわいーんだ、琴子!
入江くん、滅多に言わないだろうから、まあそれもありでしょうが。
その後のラブラブは突っ込むのやめておきます。
しかし、入江くんがどんな顔して指輪選んだのか、すっごく気にはなりますけどね。
指輪のデザイン云々もなんとなく琴子の趣味っぽいのでスルーにしておきます。

誕生日の喜びも消えないうちにノンちゃん登場編。
入江くんが医者になるきっかけを作った小学生だったノンちゃんも6年たって人気モデルに成長。
入江家に訪問してH友だちはいるけど発言でシーンとなる入江家。…今さら。
入江ママによる琴子と入江くんへのあからさまな発言で慣れていないのか。
さらに好美ちゃんにキスしようとして裕樹君激怒。
好美ちゃんにちょっかい出そうとしたら、ただじゃおかないと言いたかったらしいです。
いいね、言葉でちゃんと意思表示できる裕樹君は。
身体が完治したわけではないので、途中で体調を崩して入院。
入院しても振り回される琴子ですが、ノンちゃんはきっと琴子が初恋なんじゃなかろうかと妄想。
琴子が変わっていなくて、最初に会った頃の琴子のままだからこそ、ためらっていた手術を受ける気になったんでしょうね。
多分入江くんだけではダメだったろうと思います。
入江くんが手術をして無事退院。
しかしノンちゃんの性格がなぜにあそこまでひん曲がったのか。
中学から高校にかけて相当いじめられたり、モデルとして働くうちに虚無感に陥ったのでしょうか。
琴子みたいな人間がそばにいれば、きっと人生違っていたのでしょうけど。
そして、何度読んでも幼い頃から悪くて手術が必要な腎臓の病名が具体的に思いつかない私でありました。
いや、どういう症状と言うのは書いてあるんですが…。

さて次は金ちゃん結婚編。
クリスママが登場。
登場時に小さな書き文字で『一条ゆかり?』と書かれています。
確かにあの『有閑倶楽部』の一条ゆかり先生は集英社で一緒でしたから、きっとパーティとかで会ったり、お友だちだったりしたかもしれませんが、噂で聞くとおりお派手な方なんだろうと読んだ当初はちょっと笑いました。
クリスママもハンサムオンチらしく、金ちゃんをセクシーでいい男と評しています。
その前に入江くんは散々ぼろくそに言ってますよね。
「終わったな」とか「ハリウッドスターを見慣れている人に向かって」とか、ここぞとばかりに淡々と(笑)。
そんなママに選ばれたクリスパパ(爆)。
そしてその娘であるクリスは、入江くんと似ていたアルバート(元婚約者)をぶさいくと言っています。
…では、クリスにとって入江くんはやっぱりぶさいく…なんだろうな。
ぶさいく論議はこの辺にして。
婿に入らなければ結婚は許さないと言われて、金ちゃんとクリスは駆け落ち寸前に。
入江ママは大興奮。
ああいうシチュエーションが大好きなんでしょうね。
入江くんにもそうすればよかったのにと言って、「誰が反対したか言ってみろ」と真剣に怒られてます。
結局は逃げずに話し合って、3年間の猶予をもらってお店を頑張ることにします。
金ちゃんは結構そういうところが男らしいですね。
しかし店名はのれんわけというとどんな名前なんでしょうか。
ふぐ金とか金ふぐとか(…我ながらセンスのなさに身もだえ)。
その後が出てこないので実はいまだ疑問です。

インフルエンザ騒動編。
実はこの話が最後になるので、ずっとこの14巻の考察を書くのが嫌だったんですが…。
インフルエンザが大流行になり、入江家も全滅。
病院スタッフも壊滅で、琴子は外来に回されます。
同じような理由で入江くんも外来へ。
あふれかえる患者を夜まで診ることになります。
…この点は非常によくわかる…。
とりあえずいつも日記で愚痴っているので端折ります。
夜間救急で吐物を詰まらせた子どもの吸引をうまく終え、子どものお母さんに琴子がお礼を言われます。
琴子もさすがに成長してるんだなーと思うところです。
琴子が喜んでいるところで珍しく入江くんが喫煙。…本当に吸うんだなと思いました。
いや、いいですけど、その後の展開を考えると、なぜ今そこで吸う?とちょっとだけ突っ込みたくなっただけです。
喜びを分かちあった直後に貧血で倒れてしまいます。
家で目が覚めた琴子に入江くんは「妊娠してないか」と問いかけてイタkissは絶筆となります。

では妊娠疑惑について検証。
え?くだらない?まー、そう言わずに付き合ってください。
朝に琴子が転びかけてもたれかかってきたところで多分入江くんは微熱を察知したんだと思いますが、その前にきっと琴子の生理が遅れていることですでに知っているはず。
そもそも普通に夫婦生活してれば奥さんの生理日くらい自然に察知しますよね。
ましてや入江くんですから琴子が考えていなくても、避妊せずにした自覚があればあのときか…くらい思っていただろうし、そろそろいいんじゃないかとも思っていたんじゃないかと。
なので「おまえ身体おかしくないか」と聞くわけです。
琴子本人は自覚がないので違うほうに感激していますけどね。
それでは、いつがきっかけで妊娠したか。
よく言われる説は琴子の誕生日。
まず逆算してみましょう。
琴子妊娠発覚時が妊娠何ヶ月か。
微熱が続く期間は安定期まで。安定期を過ぎると微熱も落ち着いてきます。
で、入江くんがおかしいなと気づく頃ですから、少なく見積もっても2ヶ月以降。
生理が遅れて1週間過ぎる頃に診断されるとほぼ2ヶ月程度です。
この週数の数え方がわからない方は調べてみてください。生理日から(妊娠していないのに)数えます。
でも琴子は鈍いので、食欲が減退する時期を考えると、早くて2ヶ月途中の6週くらいでしょうか。
遅くても3ヶ月に入る頃と決めてみます。
いくらなんでも3ヶ月から4ヶ月まで入江くんが放っておかないとは思いますが(この場合当てにならないので琴子の自覚は考えない)。
それから、インフルエンザの流行時期を考えてみましょう。
インフルエンザは12月ごろから発症し始めますが、漫画の中ではかなり流行していますので1月くらいでしょうか。
裕樹君は学校へ行っていますので、少なくとも中旬にはなっているんじゃないだろうか。
そうなると、1月中旬に妊娠第6週から7週くらい。
遡って琴子の生理日は11月終わりか12月初めくらいになりますか。
すると妊娠時期は12月中旬。この場合出産予定日は9月始めですね。
仮に12月1日を生理日初日とした場合は9月7日になります。
…うーむ、微妙だ。
イベントとしてはクリスマスもありますが、微妙です。
では、もし琴子の誕生日を妊娠日とした場合の逆算もしてみましょう。
その場合生理日初日はだいたい9月中旬。
すると妊娠発覚時期は10月中旬以降。頑張って10月終わりくらい。
インフルエンザの流行時期にはちょっと早いです。早めの流行と考えても11月くらいからしかインフルエンザは出ませんしね…。
私は最初読んだときに結婚記念日かしらと思っていたのですが、それも微妙なくらいですね。
入江くんが指摘しなくて、琴子のつわりがなくて、4ヶ月まで放っておいたというなら何とかいけそうですが。
もちろん多田先生はそんなこと考えていないかもしれませんので、あくまで気になって自分なりに計算してみた結果ということで、
ここはお一つ受け流してくださいませ。
夢はないよりあったほうがよいですし(今さら言うな)。

というところであっさりと14巻終わりにします。


(2008/02/07)





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