イタKissへの想いの扉



その3:文庫版3巻


テニス部の合宿から始まります。
とことんしごく入江くんと、それでもめげない琴子。
逃げないところがさすが琴子。
そして、合宿の最中から須藤先輩と噂になった琴子にやつあたりな入江くんてなところでしょうか。
そう、この時点で入江くん自分で気が付いてはいないようだけど、明らかにいらいらして気にしています。
で、合宿から帰って入江ママに「キスしておいて」と言われて、反論できなかったりします。
入江くんは黙っていることも多いのですが、嘘はつかない男です(多分)。
なので、「してない」とは言えない。
いや、まあ、実際したんだから(しかも自分から)。
でも、キスのことを琴子に口止めしていなかったあたり、意地悪されたことを自覚した琴子が言うはずないだろうと思ったのか、それとも失念していたのか。
もし言われてもどーでもーいーと思っていたのかもしれません。
おまけに松本姉までデートに誘ってみたり。
琴子がデートの後をつけるのを見て、やっぱり俺が好きなんだと安心しちゃったりなんかして?
この辺りから松本姉は結構入江くんに迫ってくるのですが、入江くんは軽くあしらっています。
昔口にした理想の女じゃないのか?
それとも単に松本姉が好みじゃなかっただけか。
頭のいい人は入江くんに合うでしょうが、刺激が足りなさ過ぎです。
順風満帆な人生を送れるでしょうが、きっと途中で物足りなくなるはず。
学園祭でも思ったのですが、琴子が現れてからはどうでもいい女には優しいのよね。
琴子をからかう(いじめる?)ことでストレス発散(倍増?)するせいなのか。
琴子がやきもちを妬くのを見るのが楽しかったせいなのか。
好きな子に意地悪するなんて、小学生レベルです。
まあ、そのギャップが結婚後との差になって、いわゆるツンデレぶりがよいのですが。
そして最後は、せっかく同居したのに入江くんが一人暮らしを決心するところで終わります。
入江くんは社長の坊ちゃんなわけです。
琴子が現れなかったら、自分の将来についてそれほど疑問にも思わずにあとを継いでいたかもしれません。
琴子が現れなくてもいずれ考えて進路を変更したかもしれませんが、やはり相原一家の影響は大きいのでしょう。
入江くんは、結構相原父のことは尊敬してるのだと思います。
一から修行してお店をちゃんと構えているところ。
男手一つで琴子を育てたことを含めて。
もちろんイリちゃんパパのことだって、おもちゃ会社を大きくした手腕などは尊敬しているのでしょうが。

何不自由ないこと。
それが実は入江くんのコンプレックスだったかもしれません。

(2006.05.16)





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