イタKissへの想いの扉



その6:文庫版6巻


6巻は全巻中で一番展開が激しいです。

医学部に移った入江くんを入江パパがとがめます。
パパとしては入江くんにやはり会社を継いでほしいわけですから、継がないと言われてショックで心臓発作を起こします。
それまでにもストレス抱えまくりだったみたいなので、一概に入江くんのせいばかりとは言えませんが。
でもこれをきっかけに入江くんは会社のことを考えるようになり、しばらくのつもりで会社を立て直しに入ります。
琴子が夕食を引き受け、サトイモの生煮えを食べることになります。
殻入り卵焼きなどもなんだかんだと言いつつ食べています。
うーん、琴子への愛でしょうか。
金ちゃんも後に琴子の手作り弁当を食べていますが、凄くシンプルそうなおかずなのに「う〜げっ」って、いったいどんな味付けをしているのか…。
その後も毎日食べたのか定かではありません。
それにしても入江くんの胃は案外丈夫かもしれません(笑)。

会社の立て直しがなかなかうまくいかず、自分で決めた医者への道をあきらめる決心をします。
それがソファで琴子が後ろから抱きつくシーンなのですが、相手が琴子だからこそ、そして暗闇だったからこそつい漏らした弱気。
全く泣かない入江くんですが、
泣きたい気分だったのは間違いありません。

で、いよいよ見合い。
お見合いを受けた入江くんに大ショックな琴子ですが、今までそういう話がなかったほうが不思議。
まあ、入江くんもまだ若いし、琴子を気に入っている入江ママのおかげでしょうか。
お見合い相手は美人で才女の沙穂子さんです。決していやな人ではありません。
先に言っちゃいますが、引き際も鮮やかです。
そもそも多田さんの漫画に真にいやな人と言うのは出てこないですし。
お見合いでの入江ママ、凄いです。会社がらみのお見合いだというのに、徹底的にぶち壊しを図ります。
それでもめげない沙穂子さんも天晴れです。
もちろん琴子も邪魔に入りますが、松本姉まで一緒になって画策。
どれもうまくいきません(当たり前か)。
沙穂子さんに投げたいもむしは裕樹君に取ってもらったようですが、あの裕樹君がよく協力したなぁと思いました。
二次創作でいろいろ妄想激しく書いてるので、ちょっと書きにくいのですが…。
あえてお見合いを進める入江くんは、今ならまだ沙穂子さんと結婚してもうまくいくと思い込んでいたようです。
琴子に特に意思表示していないので、琴子は入江くんの複雑な気持ちを知らないままですし。
清里でのキスシーンを知っている裕樹君は一応とがめるのですが、自分の気持ちははっきりさせずに結婚するつもりだったようです。

琴子のやけどの前も金ちゃんと二人のときも嫌味を言ってみたり、デートの様子は気になるようです。
この辺りはかなり子どもっぽい入江くんです。
琴子のやけどシーンで、ふたをするつもりだった気持ちが少し揺らいでしまったと思いたいところです。
それからデートシーンを目撃したり、どうしても自分の気持ちが琴子に向いていると自覚してきて、琴子が金ちゃんからプロポーズをされたと聞いて、頭真っ白と言う感じですかね。

雨のシーンはあまり解説するのも野暮なくらいです。
ただ、どうしてそこで平手打ちする!と突っ込みたい。
いや、原作者さまにけんか売っているわけではありませんが、パニックになった琴子を鎮めるためだとしても、結局琴子はたたいたわね〜とわめいているので、あまり効果はなかったと…。
あえて左手…なのは無意識?意識的?
私的には壊れちゃってる入江くんという感じです。
素直に好きと言わずに「おまえはオレが…」とか「オレ以外の男…」とか、ずるいけど入江くんだから許せるのでしょうかね。
いきなりキスしちゃってますからね。
さらにむっつり確定です。
角度が違うところを見ると、非常にキスの時間は長かった…と(笑)。
ああ、野暮だ、野暮。

そして家族に向かって結婚宣言。
雨の中、傘とバッグは拾ったのでしょうか。
そんなことはどうでもいいか。
それにしても、琴子に先にプロポーズしてほしかったな。
入江くんらしいといえば入江くんらしいけど。
入江ママに似て案外直情型なのかもしれません。
パジャマに着替えて「じゃ一緒のベッドに寝るか」って、結構入江くんは本気ですよ。多分。
でもその後二週間で怒涛の結婚式になるので、手を出そうにも出せなかったんだと思います。
会社は忙しいし、婚約破棄で謝りに行ったり、琴子は結婚式の準備に追われてるし。
だいたい二週間であの豪華な式を挙げられる準備ができるというのも凄いです。
私事で恐縮ですが、仕事の都合上、私が結婚を決めてから結婚式まで4ヶ月たらずで、スケジュールはてんてこ舞い。
それを二週間で…。
しかも大安吉日なんて取れるわけがない。
パンダイのお陰というのもうなずけます。
招待客なんてさほどいないのに(入江家は何人だったんだろう…)、招待状だの席決めだの衣装に旅行にへろへろでした。
恐るべしママ。
きっと前からずっと計画を練っていたと思われます。
あの結婚宣言の次の日に予約取ったりして?
そして入江ママの演出じゃあ…。
入江くん、よくがんばったね(肩をポン)。

(2006/08/03)


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