その8:文庫版8巻
入江ママの実家、夏休みの九州旅行から始まります。
入江くんはどこへ行くとも言いませんが、そこは親子の入江ママ。
九州の実家に琴子を連れて行くのを予想して、「つらいことがあったら…」などと牽制します。
一色家は、全部同じ顔。恐ろしいくらいに入江くん顔です。
琴子じゃなくたって覚え切れません。
さらに性格まで入江くん。
それなのに、どうしてか入江くんほど格好良くないのが不思議です。
じいちゃんは頭禿げてますが…禿げるんでしょうか…、入江くん。
隔世遺伝とか言うし、お父さんも髪薄そうだし。
…ま、たとえ禿げても琴子の愛は変わらないでしょうから、よしとします。は、禿げた入江くんか…(もうええっちゅうに)。
九州編最後に、夜中に出会ったじいちゃんは、10代前の当主・菊之助であることが判明しますが、トイレでのイタズラに一緒に驚いたりしているので、読者は最後の方まで気づきません(というか私は初読で気づかなかった間抜け)。
ホクロ云々もよく見れば、確かに夜中のじいちゃんにはあるのですが、私は気づきませんでした。
いろいろいびられて帰るとわめく琴子をうまく乗せて、してやったりの入江くん。舌出してますね。
それにしても、騒動の中でもしっかりキスしようとしたり、朝はしっかり二人で仲良く寝ていたりするのですが、一色家にいる間の二週間、禁欲生活を守っていたのかどうか。
きっと琴子のほうが疲れきってて、それどころじゃないと…。
で、入江くん、余計に勉強に励むのかも。
ええ?そんなことはどうでもいい?
えーと、じゃあ、次。
クリスと金之助の出会い編。
クリスが大和なでしこ修行のときに、入江くんは琴子に
「自分の奥さんが…(中略)…女っぽいだろーなァ」
などと言って一緒に修行させます。
そうか、女っぽい琴子を見たいんだね、入江くんは。
ところが修行の成果が出たのはクリスのみ。テニスもうまいですし、やはり器用さの問題でしょう。
そして登場するクリスの婚約者・アルバート。入江くん似のハンサムで、多分金持ち。
それなのにハンサムオンチのクリスには通じず。
かわいそうですが、このままスルーしましょう。
そのまま学祭のテニス対決へ突入。
クリスがうまいので、琴子・クリスコンビが見事優勝。
入江くんが何気なく手助けしたのが結構好きだったりします。
昔ならきっと無視だよ、無視。
夫婦になったんだねぇとしみじみしました。
そして管理人の萌どころ、妊娠疑惑編。
神戸に学会で出張に行ってるんですよ、入江くんは。
思わぬところで神戸発見。一つのきっかけかもしれませんよね。
その出張中に妊娠騒動になり、さすがの入江くんをも一瞬頭真っ白状態に陥れます。
しかし、入江くんの勘では違うと思っていても、きっと頭の中ではいろいろシミュレーションでいっぱいだったことでしょう。
家族の反応は激しいです。
入江ママはともかく、相原父も舞い上がっています。
裕樹君までしっかり名前考えています。
でも、裕太って…自分の子どもじゃないんだからさ。
まあ、結局妊娠はしておらず、そんな騒動に終止符を打ち、またいつもの生活へと戻っていくわけです。
きっと入江くんは、琴子の生理日まできちんと把握していると思います。
そうじゃないと夜の生活が…(自主規制)。
その延長が
「ちょっと子ども欲しくなってきた。作っちゃおうか」
のセリフになります。
…鼻血出していいですか(ヤメロ)。
でも入江くんの子ども云々は口実で、単にしたかったのでは…と思われます。
だって、もうすぐ生理来るならば排卵日終わってるでしょう。
排卵日は普通(人によって若干違いますが)次の生理日のほぼ二週間程度前です。
医学的に生理予定日以後1週間くらいでは、市販の妊娠判定は微妙なことも多いですが、病院で調べれば確実です。
さすが入江くんです、抜かりない。
いや、たまには看護師的立場くらい活用しないと。
ああ、もう、下品ですみません。
次は、大学単位足りなくて卒業できない編。
単位を落とした琴子が入江くんに泣きつきますが、ばっさり切られます。
ま、当たり前です。
入江くんのこういう厳しさは好きです。
確かにあまりにものほほんとしていた琴子、これをきっかけに将来のことを真剣に考え始めます。
入江ママが息子に向かって「こんな男のどこが好きなのかしら」とか「私なら絶対にイヤよ」とか、容赦ないです。
息子より嫁ラブって、本当にうらやましい。
裕樹君は毎日琴子の居場所確認に出かけ、それを見守る入江くん。
ツンデレぶりが兄弟そろっていい感じです。
琴子がじんこの家を出てから、騙されてアダルトビデオに出演させられそうになります。
そのスカウトと監督にロリコン風に仕上げたかったと言われているので、
琴子は甘めなかわいらしい顔立ちなのだと思いますが、じんこのような顔立ちでも(失礼)入江くんは気にならなかったかもしれませんよね。
それともやはり容姿は大事だったとか?
その前にママに気に入られていたかどうかは謎(笑)。
それにしても、スカウトマンに連れられていったときの裕樹君の必死な顔。
琴子を助け出して、慰めて、えらくかわいいです。
影で見守る入江くんの心境はいかに。
でもきっと琴子が自分で答えを出そうとするのを知り、惚れ直したことでしょう。
さすが、琴子ってな感じでしょうか。
やがて住み込みで定食屋でアルバイト。
牛丼屋では結構まともにアルバイトしていたように見えるのですが、ここではぼろぼろ。
たった4日間とは思えないほど迷惑かけまくりでした。
定食屋のおじさん、その後忙しくても人を雇おうなんて思わなかったかも。
そして渡辺君と再会。ごく普通の頭がいい人で、ごく普通の性格のいい人です。
入江くんの周りで友達と言われる人の中で、一番まともな人。
まともゆえに出てくる回数は少なくて、それっきり。
弁護士になったんでしょうか。
そうやって何日か家出の末、看護婦になる決心を固めたとき、入江くんのお迎え。
渡辺君とどういう会話をしたのか興味あるところです。
…が、触れられていないので、残念。
入江くんに会いたくて仕方がなかった琴子ですが、きっと入江くんも同じだったことでしょう。
素直じゃないのでお義母さんをだしにしてますが。
私としては、二人が二人の世界に入っちゃってる間、周りのお客さんや定食屋のおじさんの反応が、結構ツボだったりします。
そしてやはり琴子が騒動を起こしても、毎日を普段どおりに過ごせる入江くんは、ある意味凄い人だと思います。
内心どきどきはらはらではありましょうが。
(2006/10/25)