イタKissへの想いの扉



その9:文庫版9巻


卒業式シーンから始まりますが、当然のごとく琴子のではなく松本姉だったりします。
仲良くF組トリオも留年です。
思えば松本姉は潔い人でありました。
まあ、卒業祝いに駆けつけた須藤さんには見込みなしですな。ただ、腐れ縁は続くでしょう。
30過ぎてそれでもまだ結婚したい人が現れなくて、それでも須藤さんが一途に追いかけていたりなんかしたら、もしかしてもしかすることもあるかもしれませんが。
でも、松本姉はキャリアウーマンしてそうです。

そしてクリス帰国編。
押しの一手で落とされた金ちゃん。
多田さんの漫画には根性で好きな相手をゲットすることが多いのですが、今やるとストーカーになりかねませんね(笑)。
頑張れ、女の子!

さあ、いよいよ琴子が看護科に編入しますが、頑張った琴子が入江くんとデートです。
細かいタイムスケジュールやシナリオまで作っていますが、どうやら入江くんはこっそり見た模様。
いつもながら琴子の妄想…いえ、計画には無理がありすぎです。
あれだけ長く一緒にいるのに絶対言わなさそうなセリフを妄想します。
…ま、妄想なんで何でもありかもしれません。
とにかく散々計画倒れに進んだデートですが、むっつり入江くんは最後のキスだけ計画通り…って…、おいおい。
もう、キスしたかったなら素直にすりゃいーじゃん。
しかし、デートシーンの少ない恋人たち(夫婦)ですよね。

で、看護科で一緒のグル−プになる仲間と出会います。
特にモトちゃんとか、結構重要。
グループでずっと実習を回るので、グループの皆は大事な仲間になっていくのです。
最初はあまりの入江くん人気に、自分が妻だとは言えない琴子です。
散々皆にからかわれ、入江くんがタイミングよく教室にやってきます。
あまりのタイミングのよさに、絶対教室の外で様子をうかがっていたんじゃないかと勘繰りたくなります。
いや、きっと入るタイミングをうかがっていたに違いありません。
そういう二次創作を書かれていたサイトさまがいて、「そうだよ、そうだよ!」と大きくうなずいた覚えがあります。

そして嫉妬事件のエピソード1として、医学部との合コン。
飲みすぎた琴子を鴨狩が送っていこうとして、一触即発。
そのことよりも、入江くんでも笑って女の子と話するんだーとか、医学部の人たちと飲みに行くんだーとか、モトちゃんの言っていた「帰るぞ」にくらくらしておりました。
どう見ても関心がないようには見えませんがね、鴨狩君。
おまけにどう見ても琴子が入江くんにベタぼれなのは、わかりきっていると思うんですがね。不毛な愛だわ。

切れる船津君が登場しますが、切れたほうが格好いいのはなぜ…(笑)。
まあ、はた迷惑であることには間違いありません。

嫉妬事件エピソード2。
解剖室から保健室直行。
鴨狩君、そんなに琴子の寝顔に胸キュンですか。
入江くんが俺と結婚してることを…なんて言っちゃってる方に目がいって、読んだ当時は鴨狩のかっこよさには目もくれませんでした。
不憫なやつよ。
しかし理美とじんこはなかなかいいところついています。
気づかないのは琴子だけ。

嫉妬事件エピソード3。
伊豆高原の別荘に1週間の滞在。もちろんオプション付き。
鴨狩と虫取りして遊んだだけで嫌味言いまくって琴子を泣かせてしまう入江くんです。
この辺も小学生レベルです。
いや、わかってはいるんですがね。
それが嫌なら自分が相手すればいいのに、どうもまだ自分の感情をコントロールできないようです。
終盤になるにつれてどんどん素直になっていくのですが、この辺りはまだプライドが邪魔をしてるのでしょうか。
泣きながら走っていった琴子をフォローすることなく、事態は泥沼へ…。

試験中も泥沼続行。
そりゃ入江くんも調子が出ないでしょう。
それでもトップ成績。だって、勘で答えてセンター試験トップですからね、船津君に勝ち目はありません。
入江ママは密かに(?)鴨狩の素行調査。
「冷血のお兄ちゃんなんか…(中略)…私ならあっちだわ」
って、自分の息子に対してまたしても言いたい放題です。
そのお兄ちゃんは食堂で金ちゃんに諭されてました。
お前のは嫉妬だーと指摘されて、茫然自失状態の入江くん。
まさか嫉妬なんて自分がするはずないと思っていたのか、嫉妬なんて感情を持っていたことに驚いたのか、それとも嫉妬するほど琴子が好きだということに気づいたのか。
…今までの嫉妬の数々は、いったいなんだと思っていたんでしょう、入江くんは。
本当に気づいていないとしたら、知識は知識であって、人としての経験値をあげるにはあまり役に立たないんだなーと思いました。
やはり頭でっかちではダメなんですね。
そう思いました。

(2006/11/09)





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