Onesided Love Story




第一章 十五歳〜嘘〜



五月

あたしは自分で自分が嫌になった。
恋に落ちるきっかけは人それぞれだ。
どんな状況でもありうるだろう。
でも、あたしはそれを認めたくなかった。
…なんで、こんなにも気になるんだろう。
なんでこんなにも後ろめたいのだろう。
あんな少女マンガのような恋の落ち方なんて、誰にも言えない。
いや、誰かに言ってしまえばいっそすっきりしただろう。
実際格好良かったのだから、あれもあり、かもしれない。
たかがサーブ一つでスパンと自分の気持ちが変わることなんてあるんだろうか。
まるでミイラ取りがミイラに…。
アキちゃんの話なんて聞かなければよかった。
アキちゃんの言葉を思い出すと、胸が苦しくなる。
アキちゃんの耳に入ってほしくない。
だから、あたしはこんなにも苦しい。

5月になって、偶然街でアキちゃんに会った。
学校からの帰り道、お互い新しい学校の制服に身を包んでいて、アキちゃんはうらやましげにあたしの制服を見ていた。

「あたしもそっちの学校にすればよかった」

アキちゃんのレベルでは入れない高校でもなかったから、本当に最後まで迷っていたのだろう。
その話は以前したことがあった。

「あたし、ゴザくんもうあきらめる…。
違う高校になるくらいなら、告白しちゃえばよかったのに、それもできなくて…。
違う高校で、どんどん周りも変わっていって、あたしにもあたしの生活ができていって、ゴザ君が誰かを好きになってもあたしにはわからなくて、そうやってどんどんゴザ君の顔も思い出せなくなっちゃうよ…」

あたしは何も言えなかった。
ただ黙って聞いていた。

「だから、もう、ゴザ君のこと聞かない。忘れちゃえるなら、本当に好きじゃなかったのかな」

違うよ、きっと好きだったんだよ。
今でも本当は好きなんじゃないの?
そう言えたらよかったのに、言えなかった。
あたしは大バカだ。
まさかずっと見てたらあたしまで好きになりました、だなんて。
でも、それを口にする勇気もない大バカでよかった。
アキちゃんのことだから、『だから言ったでしょう、本当は格好いいのよ』って、笑って言ってくれるかもしれない。
ううん、ダメ。
そんなこといくらなんでも喜ぶわけがない。

小心者で、ずるくて、大バカなあたしは、多分自分がかわいそうで、アキちゃんに会ってから苦しいんだと思っている。
そして、それでも、多分恋に落ちたらしいあたしは、あいつを見ると、妙に心が騒ぐのを止められなかった。

To be continued.